2017年5月13日土曜日

MTB&ソロキャンプ⑦ UL de ハンモック

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【ULハンモック】MTB&ソロキャンプ⑦ その1.よじ登り、走る(のだが)、キャンプ地でお昼
【ULハンモック】MTB&ソロキャンプ⑦ その2.ハンモックdeキャンプ

2017年5月3日 - 4日


去年の秋に蚊帳付きハンモックを3500円で買ったが、出番の無いまま冬になってしまったので、今回引っ張り出してみた。


ハンモックの利点と難点を整理してみよう。果たして実戦で、その通りなのか。

利点

・地面の形状に左右されない。適当な間隔の木があれば、どこでも良い。森や林は木だらけなので、張るのに不自由はしないだろう。

・夏場、地熱で背中が暑くならない。私は背中が暑いと寝られないので、これは大きな利点になりそう。

・蚊帳付きなのでモスキート耳アタックから守られる。もちろん、虫からは問題なく守られる。

・イスにも出来る。

難点

・雨対策にタープが必要。かなりしっかり守らないと、寝ている背中に雨を集める構造をしているので、悲惨になりそう。

・ザックなど、荷物の置き場が無い。基本的には何らかの方法で吊るすしかない。靴も吊るしておかないと、夜半に雨など降り出したら大変。

・とにかく背中が寒いらしい。

・地面を選ばない、とはいえ、イスとしても使うつもりなら、食事などで僅かでも平面は必要になる。

・食事後の食器やゴミも、テント内にしまうことは出来ないので、吊るすなどのアニマルプルーフが必要。

・テント内でごろごろしてだらだらする、というのはほとんど不可能だろう。ハンモックに収まったらあとは寝るしかない?

ということで、利点の魅力が非常に大きいが、解決すべき難点もかなり目立つ。


パッキングをシミュレーションしてみて気がついたが、軽量化にはそれほど資しない。
ハンモック本体は493g、付属のツリーストラップは1mのただのナイロンベルトが2本で、これでは張るべき木の間隔がかなり厳密に限定されてしまうので、長さを可変出来るストラップを別に購入した。ところが、この別売りのストラップは1本165gもあり、2本持っていくと330gにもなってしまうので、これは1本にしておいて、付属のナイロンベルトを2本繋げて輪にした。これなら30gx2なので、60gで済む。
更に、ストラップを巻き付ける樹皮を保護する布などが必要。古いTシャツを切ったものを2枚用意して、これが88g。
それに、タープが必要になる。完全晴れ予想で省いてしまう手もあるが、万が一降られたときは防ぐ手段が皆無なので、死蔵していたmont-bellのツェルトフライを引っ張り出した。これは252g。キューベンファイバー製のお高いタープも色々あるが、このツェルトフライは200x220cmスクエアで、同様の高額タープに比べても遜色無く軽い。比較してみてびっくりした。

つまり、ハンモックdeCAMPは、住居の装備に上記で1058gが必要になる(ガイライン等は省略)なんと、1kgオーバーになる。
これがツェルト泊だとツェルト本体390gで、ポールはそこらの木枝を2本拾ってくればいいので、圧倒的に軽く済む。
意外にハンモックCAMPは軽くはないらしい。

さて、今回は水なども増量し、それなりにザック重量が嵩むので、25Lのアタックザックではなく32LのOMMにした。


実は前回、直前までハンモックを25Lパッキングしていて、容量としては十分入ることを確認しているが、今回は総重量が9kg前後になるので、若干大きめのザックにして、ザックのパツンパツン&ずっしり状態を避けた。そのほうが軽く感じられるのだ。

5月3日。GWの真っ最中。登山やキャンプ場はどこも大混雑だろう。
しかし、私が行くのは、またしても地図に無い道。地形図にも無い。お散歩程度の低山ハイカーくらいは通るかもしれないが、好き好んで人の通るような所ではない。
前回はオフロードバイクのタイヤ跡らしきものが見られたが、これから行くところは、とてもバイクでアプローチ出来るようなところではない。
ということで、まずは3mくらいの垂直に近い土手をよじ登る。頑張ってMTBを押し上げる、なんてことは到底無理で、片手にフレームを引っつかんで引きずり上げるしかない。
これこそが、誰も来ないアプローチでもあるわけだ。


なんとかMTBを引きずり上げ、片足の幅程度しかない踏み跡をMTBを担いで登っていくと、今来た舗装路を2台のロードバイクが通り過ぎていった。
お洒落である。
私も何度となくSNSや会社の自転車部の方からロードの世界にお誘いを受けている。
が、昔ブログにも書いたことがあるが、ついにその道に踏み出すことはなかった。
唯一、近いのは自転車通勤のピストもどきのシングルスピードだろうか。
少年の頃、フラッシャー自転車を買ってもらった。大好きで毎日乗っていたが、少し大きくなってからはサイクリング車ブームがやってきて、そのフラッシャー号を、色々と部品を外し、ドロップハンドルにしてなんちゃってサイクリング車に改造した。
重い重いその自転車で、多摩川サイクリングロードを何度も行き来した。横浜の自宅から国道1号線の多摩川大橋のスタート地点まで10km、サイクリングロード本線が30km。往復で80kmだった。
とても辛かったのを憶えている。なかなか現れない始点からのキロ表示を恨めしく数えながら、向かい風に悩まされてひたすらペダルを漕いだ。川原なので、日陰らしい日陰もほとんど無い。都会なので、住宅街やマンションを見ながら、自然らしいものもあまり感じられない。少年なので好きなだけジュースやコーラを買うことも出来ず、水筒の生ぬるい水を、陽に当てられながら土手に座り込んで飲むしかなかった。
そんな小冒険を、何故か単独で何度もやった。・・・そうか、あの頃から私は単独行が好きだった。

私にとって、ロードバイクの世界とは、その辛かった思い出にダブって見える。
もちろん、本物のロードバイクはそもそも重量や性能が段違いで、とんでもなく軽快な高速巡航が可能だ。
基本的には舗装路を走るロードバイクは日常の延長線上で楽しめる趣味だが、MTBは自然が用意した走行可能なフィールドを探して走ることになるので、登山やキャンプと同じく準備や計画が必要な遊びだ。
ロードバイクのほうが日頃から楽しみやすい。
機会があれば私も憧れに近いものがあるが、いかんせんこれまでは縁が無かった。これからも無いかもしれない。
MTBは、登山道やハイキングコースを突っ走る輩もいて、児童の遊ぶ公園や見晴らしのいい登山の休憩広場などでベンチや他の造形物にトライアル技で乗ってタイヤ痕を付ける奴までいて、あまり評判は良くない。私のようなしょぼいMTBerも肩身の狭い思いをする。

そう、あまり人に知られていないMTBフィールドは貴重なのだ。
慎ましく楽しみ、きれいに去る。
もっとも8割は押し上げやよじ登りなので、好き好んで入ってくるバカもそうそうはいないだろう。

序盤はもうひたすら押し上げる。頑張れば登れるような甘い斜度ではない。ハンドルを握る両腕を曲げていると直に筋力があがってしまうので、腕を伸ばして突っ張って押し上げる。気がつくとその状態で前輪タイヤが浮いたまま押し上げていることが多い。それほどの斜度なのだ。


しばらくそんな状態で上がっていくと、ようやく乗れそうな平たい道に変わった。ザックを下ろして一息つく。
少し強い風が通り過ぎていく。お昼が近い。
今回はどちらかといえばキャンプメインで計画しているので、早めにキャンプ地を見つけるとしよう。そう、キャンプ地はどこにするか、今回も決めていない。
適当な森の中、少しの平場を宿にするつもりだ。

呼吸と鼓動を整えて、再びザックを背負い、MTBに跨ってペダルを蹴る。と、下れるかどうかギリギリの急斜面に出た。
サドルを限界まで下げてチャレンジしてみる。転げ落ちはしなかったが、みっともなくずるずると下りた。


まだ乗れる。そこそこ下っている。
しかし、ふと張り出した木の根に前輪をとられ、あっけなく転倒した。
左足が車体の下敷きになった。自転車を押しのけて起き上がろうとしたが、何故か起き上がる事が出来ない。
ちょっとヤバイ、と感じて、左足を車体から引きずり出す。
・・・どうやら折れてはいないようだ。が、トレール用パンツの左膝あたりに染みがある。ん?と思ったら、出血しているようだった。


とりあえず裾を捲くって見ると、結構血が出ている。が、傷口はぎりぎり絆創膏で覆える程度か。
とりあえずファーストエイドバッグから香水ビンに入れたマキロンで傷口を洗い、バンドエイドを貼り付けた。
一息ついて起き上がろうとしたら、結構膝が痛い。どのようにかは分からないが、したたかに打ち付けたらしい。
無理せず、緩い斜面のみ走ろう。

途中、送電鉄塔に出る。これまたエライ急斜面で、再びMTBを引きずり上げた。
ちょっと膝がぬるっとするので、出血箇所を見てみたら、バンドエイド程度では収まり切らないくらい出血していた。


ヌルヌルのバンドエイドを剥がして再び傷口を洗い、ガーゼを当ててしばらく圧迫止血し、テーピングテープで覆った。これなら大丈夫だろう。

そんなこんなで押したりユルく乗ったりしながらキャンプ地を探す。
今日は眺望を望まない。前回は送電鉄塔の元で景色が良かったが、ハンモックを張るなら木が林立している林間のほうが探しやすい。
ちょっと脇に逸れたところで僅かな平場があったので、そこをキャンプ地とした。
(防災放送で、市街地にて火事があった事が風に運ばれて聞こえてきた)

お腹が空いたので、お昼にしよう。
今日はラーメン。
ラーメンは、山では当たり前のメニューだが、UL装備でラーメンに辿り着くにはそれなりにハードルがあった。
ラーメン、ここでは袋ラーメンだが、まずラーメン本体は200cc程度、湯は500cc程度が必要らしい。沸騰などで若干湯面は盛り上がるので、クッカーは800cc程度が適当とされている。
UL装備ではチタンが一般的だが、800cc程度の容量を持つクッカーを選択する場合、ラーメンだけならそれでいいが、「他のメニューは?」という問題がある。


クッカーは、基本的には本体とフタで、フタも取手があり小さいフライパン代わりやコップ代わりに出来るタイプが多い。私のもこのタイプだ。
しかし、この本体とフタ、だと2つの食器なわけで、一汁一菜のメニューには器が一つ足りない。マグカップでも足す?これは悩ましい。UL的には追加したくはない。が、チタンマグを足したり、あと一品は缶詰にしてみたり、アルミホイルで無理矢理皿を作ったり、と、色々と工夫のしようはある。
さて、炊飯はどうするか。これはチタンクッカーの天敵扱いされている。
チタンクッカーで炊飯すると、間違いなく焦げ焦げ、と言われている。事実、失敗動画はいくらでも出ている。
底にアルミ蒸着されたクッカーもあるが、実はアルミ製クッカーと重さは大差無かったりする。
バーナーの火口部分に金属のバーナーシートを敷いて炎を分散させる方法もあるが、そんな追加重量を加えるのも本末転倒な気がする。
焦げるのは、ガスのシングルバーナーなどで、きれいに丸い円上をピンポイントで熱し続けるからではないか?炎が揺らぎ、火力も弱い固形燃料やアルコールバーナーなら大丈夫ではないか?

アルファ米ならお湯を注ぐだけでご飯がいただけるが、あまりに毎回だと食べ飽きる。たまにはいいが、シビアな軽量化以外は出来れば選択肢から外し、普通に米を炊いて食べたい。
そこで、前回はESBITで素のチタンクッカーで炊いてみたら成功した。
ビギナーズ・ラックだったろうか?それを今回試してみる。

このクッカーは650cc。ラーメン本体に200ccを使用すると、湯は400cc程度。ぎりぎりだろうか。
季節はとっくに春で、野菜や肉の持ち運びには冷蔵などの工夫が必要な季節になった。私は原則常温で持ち運べる食材を選ぶことにしている。今回は、このままでは素ラーメンになってしまいそうだったので、ビニールパック入りのシャキッとコーンを買ってきた。が、やはり青物も欲しい、と思い、2mmの銀マットをカットして両脇をホチキスでバチバチ留めて、それをZIPLOCKに入れ、冷蔵庫にあったキャベツを2~3枚持ってきた。昼近くに出発してお昼に消費するなら、野菜程度であれば大丈夫だろう。
キャベツをレザーマンのミニナイフで切る。極々小さなナイフだが、案外こういった用途には不自由しない。


クッカーに400ccの水を入れ、沸騰させて、と思ったが、もう少し入れても大丈夫そうだ。ラーメンスープが少ないと悲しい気分になるので、少し多目に入れた。
ESBITに点火。今日はポケットストーブを使う。さすがに安定がいいだろう、と思っていたが、期待したほどではなかった。最初、上部を垂直に開いた状態にしていたら、沸騰しなかった。風防の調整は案外シビアでなくてはならないらしい。

沸騰したところで、キャベツを煮る。しんなりしたら一度フタに退避させ、本体でラーメンの麺を茹でる。適当な固さになったらスープを入れて混ぜ、キャベツを再投入、そしてシャキッとコーン。
最後に七味を振り掛けて出来上がり。


それにしても、ずいぶんESBITを使った。
大雑把に、450cc程度の湯を沸騰させるのに3つ、キャベツを煮るのに3つ、ラーメンを作るのに3つ、を使った。最初に風防セットに失敗して浪費し、結局計10個を消費してしまった。
前回20個を使い切ったので今日は余裕を見て30個持ってきたが、うーん、これでは使い切ってしまいそうだ。
消費量を予測しやすいのがいい、という方もいらっしゃるが、キャンプがメインで食べる楽しみを満喫しようと思うと、あまりにもコストパフォーマンスが悪い。ESBITスタンダードは20個入り1箱で500~600円くらいするのだ。

ラーメンはさすがに裏切らない。カップヌードルとはまた違う美味しさがある。いうなれば、アルファ米と炊いて食べる米のような違いがある。その分、手間も燃料もかかるが、やはり袋麺はそういう良さがあるように感じた。

昼間っからスキットルのウイスキーも煽って、上機嫌なところでハンモックを張ってみる。


張る木はいくらでもあり、選び放題。その中から、イスにして食べ易そうな位置に出来るところに張ってみた。
自宅で一度試し張りしているので、それほど迷わなかった。樹皮保護と、ストラップの痛みや切れを防ぐために、Tシャツを切った当て布をする。

今日は雨は降りそうもないが、念のためにタープ(ツェルトフライ)も張っておく。


もぐりこんでみる。いい気持ちだ。ただ、テントに入ってごろごろ、うだうだ、は出来ない。きっちりハンモックに抱き込まれてしまうので、自由にはならない。
蚊やブヨから守られるモスキートネットがありがたい。何の心配も無く寝ていられるので、安心感が全然違う。


いつの間にか寝入っていて、気が付いたら夕方だった。
今日は電池式ランタンも持ってきた。単四が3本なので大して持たないだろうが、800円で電池込み103gだから、まあ許せちゃうだろう。撮影には明るくていい。

夜はスープカレー。色々迷った割には芸が無い。先に火に掛けて温め、シュラフに包んで保温しておく。
炊飯は研がない普通のお米をチタンクッカーで炊く。吸水は今回30分。果たして前回のはビギナーズラックだったのか。
・・・結果、上手く炊けた。少なくともESBITとシェラカップ方式の炊き方ならば、焦げ付きはしないようだ。30分、これもシュラフに包んで蒸らす。もちろんシュラフはシュラフカバーをかけてある。

30分が経ち、クッカーのフタでインスタントのポタージュスープを作り、スープカレーは豪快にクッカーにぶちまける。どうせスープカレーなのだから、これでいい。
ぶちまける前にクッカーの底を確認し、焦げ付いていないことを確かめた。


年齢のせいか、ちょっと一合メシはキツくなってきたか。体調にもよるが、もうそんなにがっつり食べなくても満足出来るようになってきた。

ご飯も食べて、したたかに酒も飲み、ハンモックでの寝方を研究してみることにした。
まず、気になったのが足が持ち上がること。じゃあ、頭をちょっと持ち上げて張ればいい、と思って頭側のストラップをちょっと上に張ってみたが、コレは全然ダメだった。なんといっても、ハンモックはパラシュートタイプで生地がするっするのつるんつるんなので、頭位置は上方に保っていられず、すぐに滑り落ちてしまい、ということは必然的に頭位置が真ん中方向に寄せられて足のスペースが狭くなる。
おそらく、何らかの滑り止め対策を施したとしても、自然に重力均衡に向かいアタマは下に下がろうとして、同じ結果になるのではないだろうか。
基本的には平行くらいに張らなくては快適に寝られないらしい。

次に、体が「く」の字にならないように、ちょっとテンションを掛けて張ったほうがいいか、と思い、やってみたが、コレもダメ。
ハンモックの横幅は調節が効かず、当然テンションを強めるほど締め付ける力が働くので、強めに張ると左右が非常に狭苦しく寝苦しいことおびただしかった。
適当に緩めに張るほうが寝心地が全然良かった。

そうこうしているうちに夜も更けてきた。気温は14度程度。シュラフに潜り込んで寝よう。
・・・と、背中に異常な冷気を感じた。
そう、体がいくばくか動いている時はそれほど感じないが、就寝状態に入って完全休止すると、空中に浮いたハンモックは背中が冷える。良く言われている事だ。
いったいどんな程度か、大したことなかったらマットも省けるんじゃ、と思っていたが、とんでもない。
尋常な冷え方ではない。
OMM DUOMATでは防ぎ切れないほど背中が冷えた。驚くほど、といっていい。
盛夏を除くシーズンは体温を跳ね返すタイプのマットは必須と思われる。いや、盛夏でも欲しいかもしれない。


これは、盛夏にリッジレストSoLITEを使って、マットの銀部分が体温を反射し、かつ地面の熱をウレタンフォームで蓄える地獄の灼熱マット状態と間逆の現象だ。
実は、私がハンモックに目を付けた理由がコレだったりする。
私は背中が暑いと全く寝られないヒトなので、地熱の影響を受けないハンモックはさぞ寝心地がよかろう、と思ったのだ。
その思惑は半分当たっているようだ。

さて、本格的に就寝する際に、靴だけは守ろうと思い、モスキートネットを張っている2mmロープに左右を結んで引っ掛けた。
これなら雨は大丈夫だし、朝起きたら蛇が潜り込んでいた、というアクシデントも防げる(だろう)


ただし、晴天を見込んでザックは置きっぱなしにした。これは反省すべき点で、やはりどこかに吊るすなりで守るべきだった。朝起きて特に困ったことはなかったが、動物に荒らされたりすることも考えられる。

背中は少々冷えたが、朝はゆっくり起きた。
膝も痛かったし。

再びチタンクッカー&ESBITで米を炊く。成功。やはり、この方法は間違い無いらしい。
ただ、炊いた米が650ccのクッカーに収まっているわけで、ちょっと器がオーバースペックだな、とは感じた。
FDの牛とじ丼と味噌汁でいただく。おかずの缶詰は忘れてきた。


しかし、30個ものESBITはものの見事に使い切った。
数量が計算し易く便利でULとはいえ、あまりにコスパがよろしくない。
それに、当然だがクッカーの底部分にヤニがべったり付く。まあ必殺アイテムのアルコール除菌ティッシュで大方落ちるが、あまり気分はいいものじゃない。
徹底したUL計画にはバッチリの火器だが、使い勝手の軍配はアルコールストーブなのかもしれない。
次はアルストでチタンクッカー炊飯?

さて、荷物を畳んでキャンプ地を後にする。結局3Lの水は1L以上余った。予備500mlと考えれば2.5Lでちょうどいいか。
あまりにキツいトレールだと、やはり3L必要か。途中に水場があれば悩まないが、完全自給の野営だとそうもいかない。

ここからが長い。やはり走れるところはそんなに無いが、それでも人の気配の全く無いこういう場所は貴重だ。


誰もいない林間を、MTBを押し登り、下りでは爽快に走っていく。
サドルは中途半端に上げたままにした。これなら、脳天逆落とし以外の下りでもそこそこお尻が引けるし(ただし下り途中でトップチューブに跨る形で降りてしまうと二度と乗車出来なくなる)、完全なフラットでは膝こそ余るがペダルを漕いで進むこともでき、登りはスタンディングで問題無い。ちょっとした土手のよじ登りで担ぐ時もサドル下部を肩に乗せて担げる。シビアな斜度の下り以外なら万能に近いポジションなのだ。

地図ロイドで方向を確かめながら進む。抜ける地点はいくつかあるが、あまり厳密に決めなくても今回はいい。押したり走ったりしているうちに、ハイキングコースに抜けた。
ちょっと座って水など飲んでいると、親子連れが通り過ぎていった。挨拶をして見送る。
が、私が行こうと思った同じ方向だ。
後からMTBを押していくのもなんだかよろしくない気がしたので、地図を見て反対方向へ抜けることにした。
どのみちハイキングコースでは乗車しないことにしているので、抜けるまで押しなのだ。のんびり12kgの乗れない荷物を押して行く。

最後に公園に出た。木陰で帰り仕様に変更する。MTBにベルと後方反射板を取り付ける。

・・・うーん、次回から、安全のため肘と膝はプロテクターで守るか?面倒だし重いしで嫌いなのだが、必要かもしれない。
2回、ESBITでやってみて、十分にULで実用的だと分かったが、使いどころは結構シビアだな、ということも分かった。
なんといっても基本的には「湯を沸かす」という用途に限定すべきで、食糧計画をきっちり立てて使い過ぎないようにすれば、非常に軽量な装備になってくれる。

ハンモックは案外重量になるが、いわゆる夏の暑苦しく寝苦しい、かつ蚊や虫に悩まされるキャンプからは一発解消の必殺アイテムになってくれる。
非常に有用なものだと分かった。

GWの真っ只中に人の気配の無いキャンプとMTBを楽しめた自分は果報者だと思っているが、実は十分にひどい目に合っているし、他のキャンパーに決してオススメすることは出来ない過酷な遊びだったのかもしれない。

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