2018年11月17日土曜日

ツェルト比較・MontBell ライトツェルト&ULツェルト


ここにはファイントラックとかアライとかは登場しない。なぜならば、私が持っていて実際に使うツェルトの実践比較だからだ。


ホントはファイントラックだって使いたい。しかし、これまで「登山のお守り」と言われ、素直にそれを持ち歩いていたMontBellのライトツェルトを、実際に寝泊まりに使ってきて、なるほどと色々思い知った事が多かった。
今回買ったULツェルトだって、ホントは第一候補はファイントラックのツェルト2ロングだったと言ってもいい。


そこには如何ともし難い選択の理由があったのだ。
ファイントラック・ツェルト2ロングの長辺は220cmあり、余裕がある。しかし、高さは95cm。今使っているMontBellライトツェルトは100cm。実際に設営して中に入ると、それでも頭を擦るくらいだ。
私にとって欲しいのは、もう少しの高さであり、長辺がそんなに長くあってくれても、200cmのMontBellライトツェルトで十分寝るにも間に合っている。
さらに決定的だったのは、ファイントラック・ツェルト2ロングはカタログ値重量340g。今回新しく購入したMontBell ULツェルトは230gしかない。
さらに言ってしまえば、ファイントラック・ツェルトは防水透湿性を謳ってはいるが、MontBell ULツェルトも透湿性を持っている。ULツェルトは防水ではなく撥水で、本格的な雨だと同社のライトツェルトやファイントラックよりも弱く、沁みてきたり、色々と性能的に見劣りすると思われる。

しかし、良く考えてみると・・・ツェルトで「本降りの雨にあう」というシチュエーションに、そんな防水だの撥水だのの性能云々を言っていられるような余裕があるだろうか。
比べるべきところを間違っちゃいけないのである。

ただ、実際に手にしてみたところ、ULツェルトは驚くほど生地が薄い。


それもそのはず、ライトツェルトが30デニールの厚さを持つのに対し、ULツェルトは10デニールしかないのだ。ペラペラなのだ。
場合によっては荒っぽい扱いをするかもしれないツェルトで、やや頼りない感じがする。

しかし、しかしである。
このULツェルトはたったの230g、収納袋を除いた本体実測値は222gしかなかった。
ちなみにライトツェルトは本体実測値は390g、モンベルのカタログ値だと430gになっている。モンベルさん、どゆこと?軽くなってくれる分にはうれしいが。

さて、ファイントラックとMontBellの寸法比較実践編はちょっと上で書いたが、改めて寸法・重量を比較してみよう。

※ D=縦、W=間口(横)、H=高、単位cm

ファイントラック・ツェルト2ロング
220D x 100W x 95H 340g サイドリフター有り

MontBell・ライトツェルト
200D x 90W x 100H 430g(実測値390g) サイドリフター有り

MontBell・ULツェルト
200D x 80W x 90H 230g(実測値222g) サイドリフター無し


縦200cmはシュラフに入って寝ると、身長172cmの私がなんとか収まる長さ。縦方向に生地を押して膨らむほど余裕が無いわけではない。が、結構ぎりぎりな感じがある。朝起きたら足がはみ出していたり、空が見えていたことはあった。(寝相が悪い)
※いずれもツェルトを使い始めた初期で、今はそんな事は無い。足元のスペースを開け過ぎていたのが原因。

前準備として、底面4角のペグループに細引き1mをあらかじめ結んでおいた。これはペグの刺さらない岩のテント場だったり、雪上に張る場合の対策。
もう一つは、本体屋根の端2箇所から延びるフレーム受けのロープガイドにショックコードを輪にしたものを付けた。私はツェルトポールや木の枝などで立てることが多いので、朝起きるとたるんたるんになっていることが多い。ショックコードで多少の伸び縮みは吸収してくれないか、と期待した。が、ちょっとショックコードが太い気がして、若干気に入らない。もう少し細いものを見つけたら交換したい。

ガイラインは新たに用意した。Amazonで黄緑色のリフレクションナイロンロープを買った。太さは1.8mm。これで十分だ。アライテントのツェルトポールを購入したときに付いてきた3mmのガイライン付属の自在プラ部品を付けた。
ガイラインは5mにした。これまでのライトツェルトに使っていたピンクのガイラインは4mで、これでも十分なのだが、木に結ぶことがあるかもしれないのでちょっと長くしてみた。

ペグは・・・実は前回の雷鳥沢にアライのスティックペグを忘れてきてしまい、新たにクロスペグを買った。


雷鳥沢キャンプ場さん、ごめんなさい。差し上げますので、どうぞ遠慮なく使ってください・・・(´・ω・`)

実は、今回の試し張りには間に合わなかったが、新兵器を用意してある。ツェルトポールだ。
これまでツェルト用のポールはトレッキングポールを使用してきた。しかし、私はそもそもトレッキングポールを使うのがヘタクソで、下山でよく膝を痛めた。逆に使わなければ、腿と脛がヒドイ筋肉痛にはなるものの膝は痛めなかった。
そんなわけでトレッキングポールを止めて、それの半分の重量で済むアライテントのツェルトポール2を購入した。ライトツェルト用だったので、長さ90cmの1は高さに足りないだろうと2にした。
実測値で1本97g、収納袋を含めて2本で205g。
ツェルトポールは、その辺の木の枝でも構わない。実際にそうやって現地調達を何度がしている。そうすればULでは重要な200gを削ることが可能なのだ。
しかし、いつもいつも手頃な枝がころがっていてくれるわけではない。実際に、かなり探し回ってようやく手に入ったこともあったし、ちょうどいいと思ってガイラインを張ってみたら簡単にポッキリ折れたこともあった。
ロープを張れる立木があるかどうか分からなかったり、枝が入手出来そうもなかったりする場合、ツェルトを被って寝るしかないが、そうではなくてやはりちゃんとテント替わりに使用したい場合はツェルトポールが欲しい。
そこで、今回は贅を奢ってSixmoon Designsのカーボンツェルトポールを購入した。
お値段なんと1本6千円もする。正直、馬鹿馬鹿しいほど高額なのだが、それで得られる軽量化は1本が僅かに51g(実測値)しかない。


しかし、2本で僅か100gの軽量化に1万2千円も出すかと思えば、ホントに馬鹿だと思う。
私は自分で言うのもマヌケだが、どうもこういった無駄にどうでもいいところで贅沢をする癖がある。
見るからに小さくショボいツェルト泊のポールがカーボン製高額ポールだなんて、ちょっといい気分だ。このポール、EASTON社製特注品とのことだ。EASTONは、MTBの世界でもシートポストやハンドルバーの高級ブランドなのだ。

近所の森へ行って、実際に張ってみる。
一番気にかかるところは、サイズ感とサイドリフト無し。どうなるか。
まあ、結論から言えばどちらもやはりライトツェルトと比べれば役不足ではあるのだが、ツェルトの実践キャンプではそれも実地で覆ることがままあるのが面白いところだ。

裏山とはいえ、滅多に人も通らない静かな森の散歩道。もちろん整備なんかされてない、倒木が遠慮なく道を塞いだりしているシングルトラックだ。
ちょっと脇へ逸れて、ツェルト2張を張れるスペースを探す。

小さな流れがある。Goproを向けてみる。


例のWiFiのノイズが入らないように、通信設定はOFFにした。

ちょっとうろうろしたが、なかなか都合の良さそうな平場が見つからない。
広いスペースはあるのだが、栗のいがだらけで、軍手をして摘んでみても棘が軍手を防いでくれないので痛くてたまらない。
しばらく四苦八苦してみて、諦めた。こんなことろに10デニールのツェルトを広げたりすれば、床面が穴だらけになってしまう。

ちょっと引き返して、まあここでやってみようという平場にした。あまり状態は良くはないが、寝泊まりするわけではないので、まあいいだろう。


まず、ライトツェルトを張ってみる。
近頃は宿泊装備から外して緊急用としているので、床面の合わせは全て紐を解いて解放してある。ところが、ツェルトをきれいに張るためには、まず床面をきれいな長方形にする必要があり、これは入口直下の部分を結んでおく必要があるのだ。ちょっと面倒な手間が必要だった。
とりあえず入口直下だけを結び、底面4角をペグで止める。
なるほど、あらかじめ全て床面の紐を結んでおかないと、きれいにクローズドな床面を作ることが出来ない。重なる部分を持つライトツェルトの床面とはいえ、紐を解いてある状態だと、いずれにせよ地面が直に顔を出し、フロア上に土だの小石だのをまき散らすことになるのだった。更にはガガンボだのザトウムシだの、有り難くないお客さんもやってきていた。


アライテントのツェルトポールを使って、ガイラインを張る。
このツェルトポールは110cm。アルミ製のため、ガイラインの基点は天辺あたりじゃないとするっと落ちてしまう。
ところが、その辺の木の枝で張ってみると、この110cmという長さ、微妙に長い気がしている。
ツェルトをきれいに張ると、なんとこの100cmの三角でも頭が擦らずに過ごせることがある。なかなか上手くはいかないが、これまでに何度か成功している。
それには、ガイラインをポールに結ぶ高さが鍵になっている。上手くこの高さを位置決めしてやると、天井高の高い三角テントとなってくれるのだ。
このアルミポールでは出来ない、が、輪ゴムか何か、途中で止まるモノを使うと出来るかもしれない。
今日はとりあえずこのまま張る。


5分もあれば1張出来る。
入口のファスナーを開ける。床面を整えるが、紐を結んでない状態から張ると、異様に面倒臭かった。

次に、ULツェルト。
自宅のウッドデッキで1度張ってみたが、これで2度目。
やはり床面の紐を結んで無いせいで、きれいになってない。
おまけに、ULツェルトはライトツェルトの床面のようにフラップが重なってきちんとクローズド出来るようになっていない。ただ、半分になっている床面の左右を結ぶだけの構造だ。
・・・うーん、まあこれは必要最小限という構造なのだろう。
こちらはトレッキングポールを使って張る。


さて、リッジレストSO-Liteと共にもぐりこんでみる。まずはライトツェルト。
・・・うーん、頭が付いている。ちゃんと張り具合が調整されていない。


とりあえずごそごそと這い出して、サイドリフトを張ってみる。が、ちょっと横壁のたるみがマシになっただけで、きれいな張り方では全然無い。

次に、ULツェルト。
こちらもリッジレストを持って潜り込んでみる。
とりあえず寝てみた感じは変わらない。


長さが同じ200cmなので、それはそうだろう。
座ってみると、頭の付き方がライトツェルトと変わらない。


・・・???
ULツェルトは10cm低いはずだが?
想像でしかないが、ちゃんと張れば、頭の空間はもしかしたらそれなりに確保できるのだろうか。
横幅も10cm狭いはずだ、が、これまた窮屈さは感じない。しかしこれは、実際に荷物を色々と並べてみると、「やっぱり狭いな」になるかもしれない。

並べてみても、中に入ってみても、大きさはほとんど差が無いように見える。
まあ実際にはULツェルトはサイズが小さいわけで、一晩過ごすと色々とわかるのかもしれない。
透湿性も、期待していいほどライトツェルトと違うのだろうか。それほど湿度の高くない条件でベンチレータが大きく開いているスカスカのツェルトでは、結露はほとんど見られない。
凍える寒い季節だと、ライトツェルトは通気性皆無の生地のため、かなり結露する。
ULツェルトはどうだろうか。

色々と楽しみなアイテムだ。

* * *

動画作成の小話をちょっと。
今回もツェルト比較の様子を動画にしてみた。正直、単に購入した道具なのでどこまで意味があるのか分からないが、誰かの役に立つかもしれない。

近所の森は、あまりこの手の用途には適さない。整備された公園やキャンプ場ではないので平場が少なく、お散歩の爺ちゃん婆ちゃん、犬のお散歩、MTBが走っていたりする。
近くに車の通る音が聞こえるし(比較的少ないが)、上空を横田基地の軍用機が飛んでいたりする。

自作曲「ルフラン」のPV撮影のときは、でっかい角を生やした牡鹿が凄い勢いで走り回っていた。

まあ、それでもなんとかツェルト2張分のスペースはあった。

ツェルトを設営する様子や、中の居住性を確かめてみたりする様子を撮るのだが、出演はもちろん、私。
私は自分の動画では顔出しをしていない。プライバシー云々よりも、誰もダンディでもなんでもないただのおっさんの顔なんか見たくなかろう、と思うのだ。


顔を出すことによって、動画の印象がネガティブに振れることもあるかもしれない。だから、なるべく気を付けて顔を隠している。
同じく、私は語らない。語ってみてもいいのかもしれない、と思わないでもないが、自分が「はい、こんにちはー」から始まるおっさん動画にしたくない、という思いもある。
偶然に入った声は色々あるし、それほどこちらは隠すこだわりは無いが、今のところは語る動画は考えていない。

語りは字幕と鳥がカバーしてくれるが、今回やっかいだったのは、顔の処理だった。
実は、この処理が無ければ4分の1くらいの時間で編集出来たかもしれない。それほどの手間だった。
そこまでしてこだわるのか、と言われれば確かにそうだが、私は自分の動画も私のひとつの作品だと思っているので、自分に納得の出来ないクォリティでアップしたくない、という思いが強い。
音楽制作と同じだ。自作曲は1980年からの趣味で、当時は本気でプロを目指していた。が、もちろんそんな才能も運も根気もあるわけがなく、いい加減オトナになってから挫折したのだったが。

ともあれ、現時点では顔出し無しとトーク無しで作り続けている。実はコレ、動画作成には大変なハンデで、この縛りが無ければ月に4~5本もの動画をアップし続けることが可能かもしれない。
実際にそうすることで次々に作品をアップしているユーチューバ―は多いし、見たくもないおっさんの顔と面白くも無い自分語りをたくさん聞かされるのである。
私は自分の作品にそれは許せないし、そういうのはごく一握りの有名ユーチューバ―におまかせして世の人々を楽しませて欲しいと思っている。
私は私のノロマな作成ペースで、自分に納得のいく動画を作成し続けたい。視聴者の方からすれば間延びした間隔でイライラされるかもしれないし、とても申し訳なく感じてはいるのだが、これが自分の精一杯の更新ペースではある。

自分語りのおっさんユーチューバ―はその動画本数の収益で結構いい金額を稼ぎ出しているのかもしれないが、だからといってそれをマネは出来ない、自分には許せないだろう。うらやましくはあるが。

ちなみに私はニコニコ動画にも挙げているので、生粋のユーチューバ―というわけではない、と言い訳は出来る・・・?いや、できないか。
ニコニコ動画でいただくコメントはなかなか辛辣なものが多い。

いずれにせよ、収益が目的なわけではなく、私にとっては音楽と同じ、私自身の制作作品なのだ。
実は動画作成はYoutubeが初めてではなく、まだインターネットが無かった時代に、趣味だった4WDクロスカントリー(クロカン)の動画を作っていたことがある。三菱Jeepに乗っていた。Jeepの少人数クラブを作っていた。
VHSビデオ全盛の時だった。
8mmビデオカメラ、編集機(民生機。字幕スーパーや画面切り替えを入れるもの)、効果音やBGMはホームレコーディングの機材を使っていた。
それで、クラブのキャンプやクロカン走行会の様子を動画(VHSビデオ)作成していた。

1994年

そんな自分史がある。

若く独身だからお金も時間もかけられたが、今はそうはいかない。
しかし、今は、パソコンとたくさんのフリーソフト、少しの有料ソフト(ホームレコーディング用)、Youtubeやニコニコ動画などの発表の場がある。

クオリティや好悪は様々だが、色々な人の動画作品を見ることが出来る。
私は、今は再び「作る側」コンテンツを生み出す側として、少しの活動をさせてもらえるのだ。ありがたいことだ。

だから、面白くも無いおっさんユーチューバ―の自分語り動画も我慢して見ていたりするのである。
(自分もそうだったり?)

2 件のコメント:

  1. 鳥さんのシュ-ルなコメントが好きで何時も楽しく拝見させて頂いています。自分も壱号さんの動画を見て、モンベルのULツエルトとファイントラック ツエルト2ロングをメルカリ購入し、次のキャンプで使おうと計画中です。話は変わりますが、ネットで「出汁パック炊飯」なる技を見つけて、貧脚キャンパ-の壱号さんに是非お知らせしなくてはと思いコメントしました。詳しくはネットで調べて頂けると分かりますが、お米(2/3合)とレトルト食品が一緒に仕上がり、残り湯で味噌汁まで出来るとは、ULキャンプを目指す自分もチャレンジしたい手法です。もし良ければ動画UPして頂くと参考になります!これからも面白い動画配信を期待しています!!

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  2. ツェルトの寝泊まりは結構キワモノ感ありありなので、決しておススメはしづらいのですが、自分的には好きです。
    に、20kgまでは担げます・・・・(´;ω;`)
    ま、ともあれ、不思議なめし袋orお茶パック⇒ご飯と残りのお湯⇒味噌汁、でしょうか。
    不思議なめし袋は、ユニフレームから出てきたときに「おおお・・・!」と思ったのですが、1枚50円・・・うーん・・・1枚50円か・・・と、逡巡しているうちにクッカーで普通に炊けるようになってしまったので、使わないできました。
    お茶パックだとだいぶリーズナブルですね。
    出汁を使った炊飯は栗ご飯にすると最強に美味しいらしく、「甘栗むいちゃいました」の栗ご飯のレシピなどにも使われていますね。
    有用情報ありがとうございます。
    ファイントラックのツェルト2ロング、両サイドが開くのが最高にいいです。モンベルだと何度も「暑くて寝られねえ・・・」を経験しました。
    ( ´ー`)ノ

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