【おサイフがウルトラライト】MTB&ソロキャンプ
7月下旬に左膝を痛めて、階段の昇り降りもままならない状態から、"膝痛体操"なるものを続けて、3ヶ月でようやく「山に行ってもいいかな」と思えるくらいに回復した。
さて、どこへ行こうか、と思っていたら、新宿で財布を紛失。
スマホを置きっ放しにしても誰も盗まず、財布を落としてもすぐに戻ってくる親切な日本はどこへやら、ついに我がお財布は見つからず、銀行カードやクレジットカードの停止、再発行、免許証や保険証の再交付などに走り回っていた。
それらのドタバタもようやく落ち着いて、さあ行くぞ!と意気込んでみたものの、先立つモノは風前の灯。
ええい、どうせならサイクリング&MTB林道走行、装備も所持金もウルトラライトだ!
・・・というコンセプトのもと、いそいそと支度をしていつものあきる野市の峠に出掛けた。
今回のMTBはTREKではなく、Bianchi。
実は林道走行をせずに登山路の手前でMTBをデポして、徒歩で登るつもりだった。
そのため、ちとお高めのTREKではなくBianchiで行ったのだった。結局、Bianchiは押し上げたが。
いつもはバスで行く秋川街道をMTBで走る。新小峰トンネルまではだらだらした登り。
トンネルを抜けて下りに転じ、春にツキノワグマが目撃された小峰公園を左に見て爽快な下り。
・・・帰りはもちろんヒイヒイと登ることになる。
ザックはグラナイトギアのヴァーガ。52LだがUL装備なのでかなりスカスカ。ザック重量は9.1kg。
秋川街道をJR中央線の武蔵五日市駅まで走り、檜原街道を西に向かい、途中折れてしばらく走り、荒れた舗装の林道に入る。
かなり急な坂道を登っていき、目的の山道入り口にたどり着いた。
ここで、立ち木にでもMTBをロックしておこうかと思っていたが、しばらく思案したあと、やっぱり押して上ることにした。
せっかくMTBで来たのに、このダウンヒルをやらないなんてもったいない。
往路はとても乗車なんて無理な急登で、いくつもあるヘアピンカーブの内側は30度近くもある。
私はここで他者に会った事が無い。無人の山域ではもちろん無いが、人の稀な、いいエリアだ。
ゆっくりゆっくりMTBを押して行く。距離はそれほどでもない。
しばらくぜえぜえと押し登っていき、途中の展望台まで来た。展望台といっても、ただ見晴らしのやや良好な小高い丘というだけだ。
この先、更に登っていくといつも野営している峠があるが、その直前は獣道同然の急峻な九十九折れで、MTBを押し上げる意味が無い。
野営地にMTBが傍らに無いのはなんだか寂しい気がしたので、今回はこの展望台で一泊することにした。
ナイフブリッジ状の展望台への登りを、MTBを無理やり押し上げる。僅かな距離だが、結構苦労した。
ここでも何度か泊まってはいるが、地面は相当ガレている。人ひとり分の平たい面積も無い。
無理矢理寝られそうなスペースを見つけて、とりあえずリッジレストを広げ、座った。
眺めはいい。
お昼を過ぎた。
SnowpeakのOZEN(お膳)を組み立て、EPIのREVO-3700を引っ張り出す。
カップヌードル(リフィル)を食べよう。
リフィルはそのままではSnowpeakのチタンシングルマグ450mlに入らないので、念入りに砕いた。が、マグに入れる際にかなりぶちまけてしまった。幸いOZENの上だったので、丁寧に拾った。モッタイナイ。
マグに水をいれ直接火に掛ける。300mlの湯を沸かす。前回はこれで容量ぴったりだったはず。
今回も同じにしたつもりだったが、ちょっとお湯が少なかったようだ。焚のミニカップでほぼ正確に300mlを測ったつもりだったが、もしかして前回はカップが傾いていて300ml以上の水だったのかもしれない。
リフィルの規定量は330ml。
3分経って出来上がり。スノピの箸で食べたが、砕き過ぎたのか、かなり麺が細切れで食べ難い。
今度は少し加減して砕こう。何事にも習熟が必要なんだな。
市街地を見下ろしながらカップヌードルをすする。至福の時間。スキットルのバーボンも飲んじゃう。
ぼーっと景色を眺めていたら、いつのまにか午後も遅くなってきたので、ツェルトを張る。
いつもの野営スタイル。
ツェルトの中にリッジレストを放り込んで、さっそく中に入る。
が、このガレた地面では、リッジレストのみではかなりゴツゴツして痛かった。
うーん、こんな地面だとクローズドセルマットを2重にするか、その上にエアマットでも敷かないと快適ではないんだなあ。
でもこれは重量は数百gアドオンであっても、ザックの容積を致命的に食い潰すので、選択すべき方法ではなさそうだ。
このところ、ザック重量もさることながら、サック容積の低減も切実に考えるようになってきた。
自転車旅行はツライのだ。
スマホで映画なんか見ながらダラダラ過ごす。
遠くに見える下界は夕闇に呑まれていき、市街地に少しづつ明かりが増えていく。
小さなヘッドライトにモンベルのランタンシェードを被せて明かりにする。
夕食の動画撮影で明かりを強にするつもりが、弱にしたまま忘れてしまっていた。
ツェルト内にOZENを置いて、まずはEPIストーブでご飯を炊く。
炊く、といってもいわゆる"外道炊き"と言われるひどいネーミングの炊き方で、シェラカップなどに米を入れ、多目の水で弱火のまま、時々スプーンでかき混ぜる。米粒の表面が出てきたらフタをして、弱火のまましばらく火に掛けておく。ここは飯盒炊爨と同じで、勢い良く水蒸気が噴出し続けた後、噴出す水蒸気が弱々しくなって、米の焦げる香ばしい匂いがしてくるか、あるいは米の焦げるチリチリという音がしてくるか、そのあたりを勘所で見極めて火から下ろす。
ちなみに、蒸らしはほぼ必要無い。蒸らしたほうがもちろん美味しくなるが、そのまま食べても十分に美味しい。
どのみち他の料理をしているうちに、多少の蒸らし時間にはなるので問題無い。
では・・・・・あ?あれ?・・・・・シェラカップが無い!・・・・忘れたのか・・・・orz
仕方が無い、焚のミニカップで炊こう。
問題は焚のフタはミニカップだとかろうじて乗っかる程度だということ。まあ、究極的には"外道炊き"にはフタなんぞ必要ない、ということなので、問題なかろう。
一応、ちゃんと炊けた。
次に、450マグでレトルトカレーを温める。そう、今日はカレーライス。
シェラカップや焚のミニカップではどばーとカレーをかけることはできないので、少しづつ足しながら食べよう。
カレーが温まったら、ちょっと脇に置いといて、次にポタージュスープ(カップスープ)を450マグでそのまま溶く。そこに、クラッカーを砕いて入れる。クルトンより私はクラッカーが好きだ。
最後に魚肉ソーセージ。
うーんこの・・・・といった夕飯だが、お財布がウルトラライトな割りには豪勢な野営食ではないだろうか。
もちろん、スキットルの酒をぐびぐび飲みながら、市街地の夜景を眺め、心行くまで夕餉を楽しむのだ。
片付けには、ウェットティッシュ(アルコールタイプ)が大活躍。これがあるおかげで、除菌も含めて手早く後片付けが出来る。
もう一本スマホで映画を見ながら、クラッカーと、大人に贅沢チョコボールをつまみに、酒を飲む。
また山に来れて良かった。
おやすみなさい・・・・
・・・・・うむむむ、やはり背中が小石で痛い。
リッジレストのでこぼこ銀マットなら大抵の地面は平気と思ったが、限度はあるようだ。
雪山では断熱も含めて寝心地に問題なかったが、ガレた地面は程度による。こんなに荒れていると、しつこく整地するか、コンパネでも敷いてしまわなければ無理。
一晩で右の腰を小石でかなり痛めつけたようだ。
睡眠は十分とれた。ぐっすり眠って夜明け前に起床。
気温は10度前後だが、フリースやダウンやヤッケの類は不要だった。それほど寒さを感じない。
朝食にしよう。
OZENを出して、昨日と同じ方法で約0.8合の米を焚く。正確には測っていない。この炊き方だと正確な水量など不要だ。重要なのは事前の吸水。今回は家を出るときに0.8合の米を250mlのポリビンに入れ、それに水を入れて持ってきた。夕べのご飯の後、やはり0.8合の米をポリビンに移し、水を入れ、一晩吸水させておいた。
これで十分おいしいお米が炊けるのだから不思議だ。
続いてイワシの味噌煮の缶詰を温める。ポフポフと煮汁が跳ねまくるので、弱めに温めておいた。
さて、卵を1個入れの卵ケースで持ってきたはいいが、目玉焼きを作るフライパン代わりが無い。そこで、無理を承知で焚のフタでやってみた。
・・・・ああー、やはりこぼれる・・・・
が、これはOZENやストーブが傾いているせいで、完全に水平ならば、どうやらぎりぎり目玉焼きが作れるようだ、と分かった。
しかし、野外で水平を取るのはしごく難しいだろうな。
かろうじて目玉焼きも出来たので、最後に450マグにフリーズドライの豆腐と長ネギの味噌汁。
うんうん、マネーULの割には豪華な朝食ではないか。
ニッポンジンらしい朝ご飯をいただいて、ココアで一息ついたら、とっとと片付けて帰ろう。
パッキングを済ませ、3kg軽くなったザックを背負い、ヘルメットを被ってMTBのハンドルを握る。
・・・が、もちろんこのナイフブリッジを乗車で下るなんて、トライアル並みだ。大人しく押して下る。
さて、展望台を降りた。ここからは待望のダウンヒルだ。
途中、かなりの急勾配があるから、慎重にいこう。それに、このBianchiは17.5サイズ。172cmの私には適正サイズのはずだが、はっきりいって山では大型に感じられる。私が下手糞なせいもあるが、15.5のTREKのほうが山ではちょうど扱いやすい大きさだ。
サドルを一番下まで下げる。
Goproの録画をSTARTして、ペダルを蹴る。
と、ここで気になったのが、ザックのグラナイトギア・ヴァーガ。
少々、MTBダウンヒルには大き過ぎ、ザック頭頂部がヘルメット後頭部に当たり押され、前方の視界に影響する。
やはりもっと小さいザックでないと、MTB走行には支障があるようだ。
およそ7分間のダウンヒル。思ったよりは長く楽しめた。
荒れた舗装の林道を下る。
私の最初の野営動画の時、ちょうど美しい紅葉の真っ只中だった。今はまだちょっと早い。
林道を抜け、しばらく走って檜原街道に出て、いくらも走らずに武蔵五日市駅まで来る。
Goproのバッテリーを換えたが、この後の走行風景は動画には使わなかった。
秋川街道をゆっくりゆっくり登っていく。MTBの軽いギアで、無理せずに漕いで行ける。
新小峰トンネルを抜ければ、あとは下り一直線。爽快に下って家に帰った。
ザックを下ろして、荷を解く。
シュラフなどを干す。
リッジレストは卵の白身がこぼれたので、念入りに庭の散水ホースで洗った。卵のく○った臭いをされたらたまらん。
ツェルトはいつものとおりに水洗い。内側を洗う時に、気がついた。しまった!中で油を使う料理をするとかなり臭いが付くのだった・・・目玉焼きはおいしいが、それなりに犠牲が伴う。たとえ冬でもテント外でやろう。
ご飯を炊いた焚のミニカップは、全く焦げ付き無し。焚いたご飯も僅かにお焦げ寸前くらいで美味しく炊けていた。
同じ条件でカップ下部がステンレスのオリジナル・シェラカップだと、ご飯のお焦げは僅かで許容範囲でも、シェラカップの底はいい感じに焦げ付き、重曹で煮てもステンレスタワシを使っても焦げ付きは完全には取れない。
やはりステンレスだと無理がある。材質はアルミを使うのがいいようだ。
さて、動画作成に取り掛かる。
いつも、目標は10分前後に収めるつもりでいるのだが、どうしてもだらだらと長くなってしまう。
Youtubeはそれでもいいが、ニコニコ動画は画質と音質をある程度保とうと思えば10分くらいで切っておく必要がある。
久しぶりのアップだが、満を持して、のような大それたものではもちろん無い。
かつて音楽を自宅録音で作っていたときのように、なにがしかの作品を作り上げていくのは楽しい。
しかも、高額な機材やソフトウェアなどへの投資は皆無。全てフリーウェアで出来てしまう。
すごい時代になったものだ。
結局、作品は30分になってしまった。
Youtubeへは1作品として、ニコニコ動画へは3部作としてアップした。
Youtubeではさっそくネガティブな評価も付いたが、冒頭の近況報告がしつこかったせいだろうか。
このような他愛も無い個人の動画でも、シビアに評価を付ける人がいるのは面白い、とも言える。
もちろんネガティブ評価を食らえば凹むが、それだけ見てくれる人がいる、とも言えるのかもしれない。
楽しんだ、といううれしい評価もいただいた。ありがたいことだ。もったいない、とも思う。
ソロの野外活動で他者との接点などほとんど無いはずの趣味が、オンラインの世界で不思議なご縁で薄い共有のコミュニティが形成されていく。
自分にはもったいないような話だ。
すみっこに参加させていただけるこの趣味のご縁を大事にしたいと思う。
また次回、何かを企画しよう。
0 件のコメント:
コメントを投稿