YoutubeにアップしたPV
完成したのは1月13日。発想から実に1年近くかかったことになる。
タイトルだけは何故か先に決まっていて、夜の海にかかる月をイメージしたロックバラードだった。私が作るのでギターソロのインストゥルメンタル。
イメージはその通りになったが、主旋律にあたるメロディーがどうにも「ダサい」という感覚から抜け出せず、あーでもないこーでもないと、付かず離れずで、一時は完全に捨てるつもりで手を付けなかった。
実際にギターを手にしてみると、頭では浮かんでは消えていくアイデアが、指を通じて次から次へと出てくるものだが、それがモノになるかどうかはまた別の話で、さんざんいじくり回した挙句に「ダメだ」ということも少なくない。
そんなことを繰り返した1年だった。
更に。
いざ「ちょっと具体化してみるか!」と気合を入れてノートPCの電源を入れると、ずっと使っていたCakewalk Music Creator 5を起動してみると、どうも様子がおかしい。
MIDIトラックもAudioトラックも、僅か2~3トラック程度でトラック数制限にすぐ引っかかってトラックそのものが作成出来ない。
??なんで?
いろいろいじくり回しても全くダメで、これはどうやら、CakewalkがGibsonに買収され、日本の代理店はTEACになり、なんやかんやで販売継続もサポートも放棄され、上位のソフトウェア(Sonor)はフリー化(オープン化)して残ったらしいが、私の使っていた廉価版は見捨てられ、そのような大人の事情によりライセンス違反状態で強制終了、使用しても上記の状態に陥るという、まことに悲しい事態になり果てていた。
まったく、創作意欲を削ぐこと甚だしい。曲作りにとりかかる前に、面倒な準備をあれこれしなくてはならないわけだ。
そんなこともあって、更に時間は過ぎていった。
いくつかのフリー版などを試し、結果、超定番DAWともいえるProToolsの無償版に落ち着いた。
が、今度はProTools(Light)の使い方に四苦八苦する・・・と思ったが、思いの外使いやすいソフトウェアであることが分かって、ちょっとほっとする。
オーディオインターフェースはProTools対応のものを使わなくてはダメとか、ちょっと気難しいところもあり、安いものをAmazonで探し回って買ったりとかあたふたしたが、使い始めてみるとさすがプロご用達、なかなかどうして使いやすい。
無償版なのでトラック数に制限があったり音源追加が不可だったり、更にはドラム音源がちょっとダサいとかやや悲しい部分はあるが、どうしても気に入らなかったら奮発して有償版を買えばいいし(かなり高額で勇気がいる)、まずは実際の制作で使いこなすことが先だった。
いざ使い始めてみると、それなりに課程は進んでいく。
6年前のノートPCでメモリ増設もしてないので、処理が重くなると突然オーディオインタフェースが応答しなくなったりはするが、それも頻繁に起こることは無く、比較的快適に使えるくらいではある。まあ満足すべきだろう。なんといっても無償版なわけだし。
今回はギターを長年使ってきたストラトキャスターからポールリードスミスに持ち替えて作っていく。
もちろん、まだまだ「弾き込んでいる」レベルには到底到達しない。
完全に浮いている状態のフローティングブリッジで、ストラトの弾き方だとブリッジを押してしまい音程が不安定になる。そうでなくても私は音程が不安定になりがちな下手くそな癖があるので、冷や汗をかきながら弾く。
弦を指当たりの優しいタイプのGHSに変えたので、やや弾きやすくなった。ロングとミディアムの中間の長さのスケールは、あまり恩恵を感じない。
このPRS(ポールリードスミスの略)はSEという廉価版で、普通PRSは米国製で40万とか60万とか120万とかする。廉価版は韓国製。
まあ色々と違うらしいが、実はPRSは高額か安価かに関わらず、12フレット~15フレット近辺でサスティンが詰まるデッドポイントが存在するという欠点がある。初めて聞いたときはPRSのくせに!と驚いたものだ。この安いSEにももちろんあり、3弦の14フレットとか、よく使う肝心のポジションで詰まるポイントがいくつか見られる。、
しかし、これまた驚いたことに、この詰まるサスティンというイケてない欠点が、いざ曲の形にしてみると意外に自然な「味」として聞こえるという、思いもしなかった効果を生んでいた。
弾いてる最中は「なんで伸びないんだよ・・・(´;ω;`)」と思いながら弾いていて、こりゃNGテイクだな、一応残しておくか・・・くらいに思っていたが、部分の仕上がりをプレイバックしてみるとあら不思議、いい感じに聞こえるじゃありませんか。
まあ、とはいってもプレイヤーの意図通りにはなってくれていないわけなので、やはり欠点は欠点として受け入れるしかない。事実、ここはある程度のロングサスティンじゃなきゃダメという箇所は、3弦で弾くべきところを無理やり2弦のローポジションにする、という涙ぐましい努力もしているのだ。
私がPRSを選んだ理由は、第一に2つのハムバッカー、第二にストラトよりは弾きやすいミディアムスケールと高めのフレット、第三にロングサスティンだった。が、いざ実物を手にしてみると、第二のミディアムスケールは実際にはストラトとレスポールの中間でそれほど恩恵を感じられず(まあこれは仕様で分かっていたことなので選択した自分のせい)、第三のロングサスティンは「セットネックだから」という自分の思い込みはそれほど効を奏せず、そこそこ、程度だった。
が、肝心要の2ハムバッカー、しかもPRS SEでは珍しい22フレットのとっても「らしい」レイアウトのモデルを手に出来たのだから、十分満足すべきギターだろう。
さて。
基本、ギターソロのバラードなので、フレーズ化できてしまえばサクサク進む。
バックはフェンダーローズピアノのみで考えていたが、ちょっと薄ーい感じになっちゃうので、アコースティックピアノやストリングスを混ぜた。
順調に進んでいくうちに、KORGのミニ鍵盤が壊れる。右端のキー部品が外れてしまった。まあ、それなりにチャチだからね・・・
慌ててまたAmazon、いや今年から切り替えた楽天で探して買う。2万円くらいの出費を覚悟したが、なんと5千円くらいで買えてしまうのだった。今、安いのね・・・自分が現役?だった頃の〇十年前の感覚だとまだまだ高額だったから・・・
壊れたミニ鍵盤をだましだまし使い、途中で新しいミニ鍵盤に交代。今度のは普通のシンセ鍵盤の構造だから、そうそうは壊れないだろう。
なかなか制作にかかずらう時間が取れず、飛び飛びに進め、なんとか形にしてみた。
全体のバランスを取り直し、通勤時に聞いている曲集(ハードロックばかり)の中に混ぜ込んで1週間ほどチェックしてみる。
ちょっと音量が小さいか。
編集ソフトで調整する。
よし。これで曲そのものは出来上がり。
まあちょっとスカスカする感じはしているが、ほぼイメージしてた曲にはなっただろう。
これもPV風にしてYoutubeに挙げてみるかな、と。
はて、と困った。
「海の月」
当然、夜の海にかかる月、でしょう。
撮影に・・・行けるわけないよな、現状では。
行けたとしても、PRS持ってくのか?錆錆になっちゃうぞ・・・
ならばフリー素材で集めるか。動画のフリー素材はなかなか探し難いが、なんとかそれっぽいのは集められそう。
しかし、ギター曲なのに弾いてるシーン無しでは、意味ないなあ。前に作ったGrasshopper Townも作り直したいくらい。
ちょっと悩んだ末、何も無いよりはと思い、いつもの森に入ってギターのシーンを撮ることにした。
時は1月下旬。野外でギターを弾くには寒すぎる。が、スタジオ借りるのもなんだし、強行する。
手がかじかんで思うように弾けないのよ。おまけに「ここ、どう弾いたっけ??」なんて弾いた本人が弾き方を忘れるなんてこともあったりして、なかなかに情けない有様。
なんとかかんとか撮り終える。寒い~。
とはいえ、イメージ動画は、海、そして月。演奏シーンは森の中。なんともちぐはぐ。
・・・仕方ない。変な組み合わせだが、あくまで聞いていただく+見ていただくためのPVだから、組み合わせて編集してみた。
出来上がりはYoutubeに挙げる。
そして、ニコニコ動画にも。
私と同じアウトドア系で超有名な方がいらっしゃるが、ニコニコ動画が楽しみで見ていたが、収益化しやすいYoutubeに乗り換え、どうやらニコニコは捨ててしまったらしい。なんとも残念だ。
ニコニコ動画は、画面にコメントが流れるという、視聴者との一体感が楽しめる仕様で、そこが好きだ。が、確かに収益化には結び付き難い。事実、私もニコニコ動画で収益が得られたことは実はこれまで一度も無い。私程度だと到底収益化まで届かない。得られたクリエイター奨励プログラムのポイントは使い道が無く(収益化に届かない)、全て他の方の楽しい動画に宣伝ポイントとして使ってしまっている。
一度に3000ポイントをどーんと差し上げてしまったりしているが、他に使い道が無く、期限切れになってしまうよりはいい。
当然、収益化をメインにニコニコを捨てることも考えたことがある。はっきり言って手間だし、苦労して挙げても得られる収益は無いのだ。
しかし、だからといって私はニコニコを捨てることなんて出来ない。
細々とはいっても私の動画を見てくれている視聴者の方がいらっしゃるし、何年か続けてきたニコニコを「金にならないから捨てる」なんて薄情なことは私には出来ない。裏切れない。
これからも可能な限りはニコニコも続けていきたい。
というわけで、Youtubeとニコニコ動画に出来上がった「海の月」をアップロードした。
アウトドアと違ってそれほど見ていただけるジャンルではないが、プロミュージシャンになる夢を果たせなかった自分には、大切な発表の場だ。
下手くそなギターを聞いていただいて恐縮だが、これも私の大切な、そしてせいいっぱいの活動記録のひとつ、なのです。
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