2019年5月9日木曜日

(いつもの)峠の野宿【メッシュのツェルト】

2019年5月3日 - 4日

まさかの二年連続冬季閉鎖。冬が大好きな自分としては痛恨の休止状態だった。

とりあえず1泊2日、近場でいいから、と思い、手持ちのモノだけでさっさと出掛けたかった。
ふと、「今年一番の暑さになります」のニュースが聞こえてきた。

そうだ、死蔵していたメッシュのツェルトを使ってみよう。

Youtube

天気は?・・・なにしろメッシュなので、雨には無力。一応グランドシートは持って行くことにして、大きい迷彩柄のシートにした。1.8×2.7mあるので、いざというときはフライ代わりになるだろう。


ホントはMontbell ULツェルトで総ザック重量6kg未満で行きたかった。UL=ウルトラライトはベースウェイトが4~5kg、SUL=サブウルトラライトが2~3kg、それに水・食糧・燃料など消費材が入る。
いつもの野宿地は水場はおろかトイレを含み何の設備も無いので、飲料水や携帯トイレを含めて全て持って行く必要がある。
今回は水を3L持った。・・・・が、終わってみれば、消費したのは1.5L程度だった。なんということでしょう。

結局、総ザック重量は撮影機器も全て含んで9.2kgにもなった。普通に2000m級テント泊登山と変わらない。いい加減に装備すると、こんなもので、32Lザックはさほどパンパンでもないくせに、ずっしりと重い。容積が小さいだけに余計に重く感じる。
これは半分以上余らせた水と、自衛隊戦闘糧食(レーション)のせいでもあった。

バスに乗り、道程半分ほどで下りる。ここから1kmほど歩き、山道に入り、抜けたらしばらく舗装路を歩き、林道に入り、途中で右に折れて山道で峠に向かう。


8kmちょっと歩く。


日差しが強い。夏ほどではないが、直射日光はかなり強い。
こんなときはキャップではなく、ハット型の帽子がいい。頭を中心に大きく日陰を作ってくれて、被るとはっきり涼しくなるのが分かるほどだ。
ただし、私には絶望的に似合わない。まあ、キャップ型もどうせ似合わんのだが。
そんなことより機能性重視。ずっと使っているMontbellのハット帽はゴアテックス製で、通気もいいし、レインハットにもなる優れもの。

山道や林道などの木陰が続く道では帽子を脱いでいる。五月の涼しい空気が味わえる。


仕事に追い捲られ、都心でずっとせかせか早足で歩いていたので、今日は、好きなだけ、ゆっくり歩けるのだ。

3時間半ほど歩いて、いつもの峠に着いた。


さて、どうなっているか。
途中、見慣れない青い巨大な建造物などが現れて、すっかり変わってしまったんじゃないかと不安になったりしたが、そんなことはなかった。
見慣れた峠は、見慣れたままだった。
ただし、いつもの2×1mのスペースは、両脇のチビ松とチビカヤがだいぶ育ってしまっている。


ちょっと入ってみる・・・・うん、横方向にツェルトを張ればスペースは十分だが、思ったより傾斜がついてしまっていて、これでは寝難い。
やはり縦のほうがよさそうだ。両脇のチビ樹木が邪魔だが、まあお邪魔しているのは私のほうだし、今日だけちょいとスペースを貸してもらおう。

市街地方面に開けていて、相変わらずいい景色だ。

さっそくメッシュのツェルトを張る。結構縦に傾斜しているが、まあ寝るには問題無い程度だろう。
ガイラインの行き所が難しく、1本は継ぎ足して張った。


それにしても顔にまとわりつく小バエがうるさい。幸い、ブヨではないらしいが、多くはないものの実にしつこい。
まずは張ったばかりのメッシュツェルトに慌ててもぐりこんだ。


このメッシュツェルトを選んだ際、何よりも重視したのは「色」。私は黒以外に選ぶつもりは全くなかった。なんとなれば、ほら、この通り、黒のメッシュは外の景色を邪魔しない、ほぼ透明にさえ見えるのだ。
せっかくメッシュなんだから、限りなく透明であって欲しかった。

そして、潜り込んで驚いた。ちょっと寒くね・・・?
そう、風景だけではなく、風通しについてもスッカスカだった。
これは願ったり叶ったりだ。なんとなれば、メッシュツェルトは暑い季節こそ出番のあるアイテムなので、風通しは超重要。
前に使ったフロアレスのツェルト風蚊帳は、風通しは悪くて暑いわ、虫は床面から入り放題だわで、全然役に立ってくれなかったのだ。
これは期待してよさそうだ。

ちょうどお昼。せっかくだから、外で食べよう。

座布団代わりに45×80cmのOMM DUOMAT。


硬さはあるとはいえ、ペラペラのマットだ。今日はコレしかない。寝るのもコレ。まあ迷彩のグランドシートがあるからちょっとはマシだろう。
お湯を沸かしてマグカップにフリーズドライのスープパスタを戻す。これは、コンビニやスーパーでよく売っている、カップのインスタントスープパスタと同じ。
それに魚肉ソーセージ。


普段なら、これらプラス、サンドイッチ×2、総菜パン×2、から揚げくらいは食べる。
普段からすれば絶対に足りるわけがない昼食だが、私の勘は当たったようで、今日はこれでも十分満足だった。
何故か、登山やキャンプに来ると、私は極端に食事量が減る。いや・・・もしかしたら普段が暴飲暴食なのだろう。都会の生活は、何をそんなにエネルギーを欲するのだろうか。考えると恐ろしくなる。

いい具合にスキットルのバーボンを煽り、メッシュツェルトに潜り込んでいい気持ちで昼寝する。
目を覚まし、スマホに入れておいた映画「ザ・マミー/呪われた砂漠の王女」を見る。トム・クルーズ主演なので安心してお気楽アクションが楽しめる。

映画を見ていたらすっかり日が暮れたので、夕飯にしよう。

今日は、息子がしばらく前に自衛隊基地のイベントで買ってきてくれた、戦闘糧食、いわゆるレーション。迷彩柄のパッケージ。
粗挽きウインナーカレー。


作り方は超簡単。お湯に25~30分、入れておくだけだ。
ちょっと困ったのが、レーションは結構大きさがあり、4合炊き飯盒サイズですっぽり入るくらい、というものだった。
一応、飯盒はあるにはあるが、ソロキャンプではいかにも大き過ぎるので、今回は私の持っている最も大きなクッカーのSnowpeak Trek900を持ってきた。
これに縦にレーションを入れると、約半分ほど湯に浸かる。
まあ半分でも大丈夫だろうと思ったが、ちょっと違った。

25分、お風呂に入ってもらって、取り出す。
迷彩の外袋を剥がすと、サトウのご飯ぽい大盛り白米と、レトルトカレーパックになっていた。
そして気が付かなかったのが、スプーンが同梱されていたこと。なるほど、すぐにそのまま食べられるのね。


カレーを半分ほどご飯にかけ、スプーンで食べてみる・・・ん?ご飯がぼそぼそしている・・・・
これは、湯に浸からなかった半分のほうだった。1/4~1/5ほど端っこのほうがぼそぼそしていた。なるほど、湯に浸かり切らない時は、途中でひっくり返せばいいのかもしれない。
肝心のカレーは、美味い!そして辛い!
自衛隊のレーションは合同訓練などで各国の軍隊から美味しいと評判がいいとのことだ。なるほど。美味しい。
結構大盛りなのね。大変なお仕事だからなあ。
レーションそのものは大盛りご飯とレトルトパックなので結構重さがあり、ULには向かない。が、この簡単さは何物にも替え難い。
色々な種類があるなら他のも食べてみたいなあ。

遠くに花火が見えた。かなり遠い。10km以上は離れているだろう。小さく見えていた。

鹿の鳴き声が聞こえてくる。この辺は鹿と、それからイノシシが出る。
(実は熊の目撃情報もあった。去年は北高尾でツキノワグマが目撃されたし)
何も無いよりは、と、首からホイッスルをぶら下げている。体育の先生が使うピリリリ~と鳴るやつだ。
奥多摩の猿はこれで逃げていった。イノシシはどだろうか。熊もそうだが、びっくりして攻撃してくることもありそうで怖い。

夜も更けてきた。
Goproは市街地の夜景に向けてタイムラプスを走らせっぱなしにしてある。


ここは、午前中は直射日光を遮るものが全く無い東向きの峠なので、できれば日の出くらいに撤収したい。
日の出は、と時間を調べたら、AM4:49。オウ、結構早いのね・・・。

では寝てしまおう。
相変わらずメッシュツェルトは網など無いが如く微風をも通し放題だ。
シュラフはMontbellのダウンハガー#5。シュラフカバーは無し。いざとなればレスキューシートなどを巻く。
が、温かさは十分だった。
このところ必須装備となったISUKAのエア枕も快適。
顔に感じる風。
暖かいシュラフ。
うっすら目を開けるとメッシュなど無いかのような透明感。
おやすみなさい・・・・

翌朝、AM4時起床。
さすがにペラペラのDUOMATだけだと若干体が痛い。
ぎりぎり寝られる程度にはなってくれるが、ホントにぎりぎりで、あまり快適とはいえない。重量と快適さの二律背反。永遠のテーマだ。

目が覚めて真っ先に米の吸水。家から普通の米を0.7合くらい?持ってきた。研がずにそのまま水を入れる。20分。

待つ間にコーヒーを飲む。周囲はうっすら明るくなり始めているが、夜明けはまだまだだ。

さて、20分たった。今回はアルミのTrek900なので、材質も大きさも違う。
いつもの通り、ごく弱火にかける。
沸騰して蓋を開け、水分を飛ばす。いつも通り。米の頭が見えてきたら、蓋をする。

ここからがいつもと違った。

まず、蓋がクッカー本体の外側に覆い被さるタイプなので、ぼたぼたと吹き零れる。うーん。
そして、いつまでたってもチリチリ音がしてきたり、焦げっぽい匂いがしてこない。ホ、ホントか?
もういい加減に限度だろうと火から下ろして、タオルに包んでシュラフの中へ。蒸らし20分。

他はいつもの通りだ。サンマの蒲焼大根おろしの缶詰に、フリーズドライのなめこ汁。

さて、ご飯を開けてみると・・・え、柔らかい・・・・
あんなに時間かけたのに?
焦げは全く無し、芯も全く無し。ただ、ちょっと柔らかかった。
予想ではちょっと火に掛け過ぎて若干焦げたかと思ったが、真逆の結果だった。
こんなにも違うものなのねえ、アルミとチタンって。


食べ終わる頃には日が昇っていた。幸い、曇り空で、強烈な日光はちょっと遠慮してくれていた。


一息ついて、撤収開始。
とはいっても、荷物も少ないからあっというまに片付く。
昨夜作成した携帯トイレも回収。持って帰って燃えるゴミで出す。

では帰ろう。


強くなってきた日差しに、ハット帽を被って山を下りる。
林道まで下りて歩いていたら、ミニベロが登っていった。はて、この先は行き止まりだが・・・
と思ったら、今度はオフロードバイクが3~4台。・・・かなりトライアルっぽいムーブを強いられる登山道ならあるが、相当な強者達だろうか?

・・・じきにバイクが引き返してきた。うーん、そうだよね。
と思ったら、林道出口あたりでさきほどのミニベロが戻ってきた。うん、そうだよねえ。

帰りは3kmほど歩いて、駅からバスに乗った。

さて、今回は動画作成もずいぶん空いてしまっている。幸いゴールデンウィークだし、このGW中にアップできるように編集しよう。

なんてことはない、もう何回もやってきた野宿だったが、帰ってから思わぬ効果があったことに気が付いた。
野宿(カッコよくソロキャンプとも言う)に行き、出来るだけ色々な場面をGoproに残し、編集して動画作品にしてみる。
いつもやってきたことだが、気が付けばちゃんとメンタルもリフレッシュされていた。なんだか淀みになってしまっていたような脳みそがちょっと活性化して、「次の計画は、えーと」なんて考えている。
体重も3kg近く減っていた(すぐ元に戻るのだが(´・ω・`))

たしかにまだ余裕があるとはいえないプライベートや仕事のペースだが、こういったリフレッシュがいかに大切なのか思い知らせてくれた。
なにも大げさな登山やキャンプでなくてもいい、ちょっとしたきっかけで出掛けてみるのが、案外大切なのかもしれない。

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