2018年12月23日日曜日

【奥多摩縦走ツェルト泊】5つの山を制した男・その4.鷹ノ巣山避難小屋ツェルト泊

避難小屋はなにやら若い方々が賑やかに数人いるようだった。
いいじゃないですか。
鷹ノ巣山は、どちらから登っても急登を避けられない、あまり人気の無い山だと聞くが、静かなテント場に若い人たちの声が聞こえていた。
いいなあ。若いうちにこういう経験が出来るのは、とても楽しい思い出になると思う。顔をしかめる人もいるのだが、私は山頂で騒ぐ若者とかは結構好きだ。

テント場には既にテントが一張張られていた。
自分は、少し離れたいつもの場所にツェルトを張ることにしよう。


トミカシートを広げてみる。ん・・・ちょっとナナメかな。若干位置をずらす。


なんだか最近、キャンプでの地面の水平さが気になってきている気がする。まあ、斜めじゃないにこしたことはないが、あまり神経質に気にし過ぎるのもどうかなあ。
ポールでちゃちゃっと張って、ザックを入れた。


水を汲みに行く。ここの水場も結構歩く。
若干荒れている登山道を下って水場へ。何年か前、水場で熊さんが水を飲んでいたそうだ。
雲取山近辺でも先月に出ているし、ポケットにホイッスルが手放せない。大きな音が出るとはいえ、どれだけ有効かは分からないが、何も無いよりはいい。
熊さんはいなかった。

プラティパスの2Lと1Lに水を汲んだ。

ツェルトに戻って、ごそごそと荷物整理をする。
お昼時は既に大幅に過ぎている。カップヌードルなんかを食べてしまうと夕飯が入らなくなりそうだ。
ということは、昼寝だな。

またしても怠惰にシュラフにもぐりこんで、スキットルのウイスキーを飲む。人の声が若干聞こえてくる。どうやらもう1組、テントを張り出したようだ。

それにしてもこのULツェルト、さすがに狭いとはいえ、私には十分な居住空間だ。
これじゃあ寝るだけかも、という当初の予想は外れ、ライトツェルトと同じ程度の空間を提供してくれる。
次にライトツェルトを張ると「なんて広いんだ」などと思うのかもしれない。
とはいえ、さすがにぎりぎり感は否めない。人におススメ出来るかといえば、決して出来ない。よほどの好きモノのアイテムだと思う。

いつのまにかうとうとしていた。全身が疲労している感じがする。特に、足の筋肉が消耗している。
心地よい疲労感だ。
冷えと相まってともすれば攣りやすいが、長い登山道を歩き通してきた達成感がある。
明日は、この避難小屋テント場から続く鷹ノ巣山に登る。標高1,737m。そして、石尾根縦走路を最後まで辿り、下山。JR奥多摩駅まで歩き通す。

今はただの酔っ払いオヤジで、昼間っから酒飲んでシュラフにくるまって寝ているのだ。

少し夕暮れになってから目が覚めた。ぼんやりと暗い。
とりあえず先にクッカーにお米を入れ、吸水させる。45分。
今夜はごくノーマルに、さんまの蒲焼の缶詰、ご飯、フリーズドライの味噌汁。実はこれが一番外さない。絶対にいつでも美味しい。
惜しむらくは炊飯にどうしても計1時間半はかかってしまうので(夏場は1時間程度)忙しない登山ではメニューに組み込み難いところがある。翌朝3時起き5時出発なんていうと、朝食には無理なメニューだ。
まあ、計画そのものを時間に余裕があるようにゆったり作成すれば、美味しい炊き立てご飯が食べられる。
とはいえ、フツーに見れば缶詰に白米にインスタントみそ汁なわけで、貧相極まりない。
もちろん、食にウェイトを振ってBBQや鍋でもいいのだが、山に行くとなると「歩きたい、登りたい」に装備が全振りとなってしまい、私の場合はどうしても食糧計画がこのようになる。しかも、本人もコレで十分満足してしまう。

申し訳無いのは動画を見ていただく方に、このような貧相な食事風景をお見せしてしまうことだが、登山過程の偽らざる姿なので、そのまま組み入れてしまっている。
もう5kg担げれば、もーのすごい豪勢な山メシを披露できるのだが、それは貧脚の私には無理なので、他のYoutuberで「こんなしょぼい食事でなく素敵な山メシにする」という方に譲る。

さて、ご飯が炊けて、蒸らしも完了した。
マグにお湯を沸かし、缶詰を湯煎する。缶詰は蓋を開けて直火にかけると、中の汁がはじけて周囲に飛び散りまくるので、湯煎のほうがちゃんと熱々に温められる。
缶詰を取り出し、マグで沸いていたお湯にFD味噌汁を入れる。缶詰の蓋を開ける。完成~。
何の変哲も無い極々シンプルな山での食事だが、缶詰のバリエーションは豊富でもう一品増やすことも出来るし、簡単で色々なメニューが組める、美味しい山メシになってくれるのだ。
いただきます。


そういえば動画では、クリスマス・イルミネーションが先になってたっけ。
何故かひっくり返ってしまった。

雲取山の2日目朝食では、炊いたご飯の後のクッカー内の拭き取りに苦労した。
今回もご飯を炊いたのは同じだが、残り僅かになったところで味噌汁をクッカーにあけた。
普段は全くやらない。やはりちょっとお行儀が悪い感じがしてしまうが、実はそれほどキライじゃない。美味しい。
ただ、今回は「クッカーの拭き取りをラクにしたい」という目的があった。
その目論見はばっちりで、非常に簡単に拭き取れた。
なんなら初めから雑炊やリゾットにしてしまえば毎回ラクなのだが、やはりちゃんと炊いたご飯は何物にも替え難い。
ならば、ということで、この方法は非常に有用なのであった。

さて、今回の山行は2泊3日で、動画にすると2~3話か、あるいはもう少し増えそうなので、時期的にはクリスマスシーズンにかかっていると思う。
このお話を書いている現時点は11/30で、まだ動画の1話のイントロダクションも出来ていない。
マンネリ化しがちなアウトドア動画にいらぬアクセントを付け加えてみようと、余計な道具を持ってきた。
クリスマス・イルミネーションだ。
A○zonで電池で動作するイルミネーションを探して、安く買えた。
それに100均ショップでクリスマス・リーフとベル、それに鳥用の三角帽子。三角帽子はタイピンがちょうど合いそうだった。
ということで、暗くなったテント場で、イルミネーションの細いLED電球付きケーブルをツェルトのガイラインとツェルト屋根に這わせてみる。


ちょっと点けてみると・・・なんじゃこりゃ。恥ずかしくてすぐに消した。
でっかいリーフとベルをポールに掛けてみる。うーん、照明が必要だな。
鳥にもご出演願う。帽子をちょこんと被っていただく。

「ナニさせるんだよ」

カメラに映る程度の照明をあれこれ試してみながらGoproを向けてみた。
・・・うーん、何やってんだろ、オレ。UL指向ではなかったのか。うーん。

さて、ちびちびバーボンを飲みながらごろごろしていたが、体も疲れていることだし早く寝よう。
避難小屋の若者たちの声も聞こえてこない。もう寝てしまったのだろうか。

両隣のテントからは僅かにクッカーの音などが聞こえてくる。
それももう間もなく静かになるのだろう。
明日の鷹ノ巣山登頂も、その後の石尾根縦走路の下山も、そんなに甘くはない。
時間は早いが眠る。

・・・と、夜中に何やら雨音がして目が覚めた。
ん?雨音?・・・いや、なんか違う。
ツェルトのベンチレーションから外を覗いてみると、雪だった。
えー、まじか・・・
とりあえず雪が入らないように、前後のベンチレーションは閉じる。とはいっても、このベンチレーションは酸欠を防ぐために完全には閉じない構造になっているが。
ともあれ、これで入り放題の冷気はいくぶんマシになった。

翌朝、6時に起床。寒さで目が覚めた。

昨夜、雪に降られて気温が相当下がっている。ということは、ツェルト内の結露は・・・
右側の壁におかしな模様が出来ているが、これは外側に張り付いた雪らしい。


内側は?内側は結露している。が、ほぼ全て凍り付いていて、撫でてみた手のひらは冷たいだけでほとんど濡れなかった。
それも、かなりうっすらとしか結露が見られない。この薄い通気性のある10デニールのペラペラ生地は見事にその機能を発揮してくれて、かなりな結露を防いでくれたらしい。
これがライトツェルトだと、内側はバリバリに凍り付いていただろう。

雪だ・・・

とりあえずシュラフから這い出し、トイレに行く。積雪というほどではないにしても、地面は見事に白かった。
なるほど。寒かったわけだ。


ツェルトに戻り、とりあえずコーヒー。
ガスストーブを点け湯を沸かすとさすがに壁面の結露が溶けた。が、それでも全然大したことない。相当に通気性が効いているようだ。

今朝はご飯は炊かない。どん兵衛のリフィルにする。


お湯を入れて5分。クッカーの蓋を開けてみると、一瞬、何か茶色い蓋がされていると思い???となったが、一面に膨らんだ天ぷらだった。
驚いたよ。

さて、撤収にかかろう。
荷物も少ないから比較的簡単だ。が、冬はダウンものが多くなるので、その分は面倒になる。


トミカシートを引っ張り出して荷物置き場にする。どんどんトミカシートに載せていき、ツェルトも畳む。
そのままザックにパッキング。

最後に・・・洗髪と歯磨き。
洗髪はドライシャンプー。水いらずだが、これまで何度かテキトーに使ってきたせいで、今回もちゃんと使い方を確認せずにやったら匂いはいいが髪の毛は思ったよりサラサラにならず。ちゃんと最後にタオルで拭きとらなくてはいけなかった。
登山中は別にいいが、街に下りたら帽子を外せない。北アルプスで買った剱岳二回連続敗退記念の山人キャップを被っていた。

では、歯磨き。


こちらは簡単。場ブラシにお魚タレビンに入れたデンタルペースト(歯磨き粉でもいい?)を付けて磨くだけだ。すすぎの水はプラティパスで若干凍っていて中でシャリシャリしている。非常に冷たい。
もちろんその辺に吐き出すわけにはいかないので、ペットシーツに吸わせて持ち帰る。我が家には大型犬(サモエド)が2頭いるのでペットシーツはいつでもある。
失敗したのは、びしゃびしゃになったペットシーツをZIPLOCKに入れて持ち帰ったが、ザック内で少々漏れていたこと。中で押されたのかもしれない。

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