ただ、去年の年頭はぎっくり腰をくらっていたので、登山やキャンプに行けなかった、という事情はあるが。
2018年の3月あたりに、ミュージシャンになる夢に挫折した後に全て売り払った楽器達の中で生き残ったフェンダージャパンのストラトキャスターのコンディションが次第に思わしくなくなってきて、次代のギターをどうするか、あれこれ悩み始めている。
おお、我がストラトよ・・・
このトシになってようやく自分の腕前の程度がどのくらいヘタレなのかおぼろげに認識(諦め)出来て、これからどのくらい音楽&ギターに関わる年数があるのかを考えたとき、「もう高いギターはもったいない」という気持ちが強く出てきていた。
そこで、Ibanezのヘビメタ小僧が買うようなストラトタイプのGRGを買ったが、ちょっと思ったより低品質で、これじゃあ、これまで40年以上もギターを弾き続けてきた自分がかわいそうだと思えてしまって、せめてもう少しいいギターを、と考え始めたのが2018年の歳の瀬。
ちょっと安過ぎたかな
その3ヵ月間ほど前から両手薬指の謎の炎症でギターが持てず、歯痒い思いをし続けていて、年末になってようやく弾けるようになったのだった。
下手糞とはいえ、さすがに40年以上もギターを弾き続けていれば、ちょっとは思うところがある。
さて、、前置きが長くなったが、ポールリードスミスのギターを買おうか、と思っている。
やっぱりヤメようか、と何度も思い返したが、やはり現在のIbanezのヘビメタストラトもどき2万6千円ではあんまりな気がしている。
とはいえ、ポールリードスミス(以下PRS)のラインナップは40~60万円、あるいはそれ以上がレギュラーで、老い先短い我がギター人生にそんな高級ギターはいらない、もったいない。
P.R.S. Private Stock #8004 Custom24"Orianthi"
お値段213万円 (´・ω・`)8万円くらいの、自分にはちょうど良さそうなSEというモデルがある
PRS SE Custom 24 お手頃価格な8万円くらい
ごくフツーに24フレット&2ハムバッカー&トレモロアームでいくか、と、パッと思い付きで考えた。
トップメイプル、バックマホガニーで、化粧トップのフィギュアドメイプルもPRSらしく綺麗だ。
最初に悩んだのは、「トレモロアーム、いるか?」という点。
ずっとストラトを使ってきた自分には、欲しい機能ではある。ヘタクソなチョーキングビブラートをごまかすのにも都合がいい。
ただし、実際の演奏での使用頻度は、実はそんなでもない。無ければ無いでいいのかもしれない。
直感的にいるかいらないかを思った時、「無ければ自分に言い訳をしない潔いギターではないか」という魅惑的なフレーズが浮かんできた。
うーむ、自分に言い訳をしないギター。まさに「終の一本」にふさわしいのではないか。
それに、ストラトのシンクロナイズドトレモロユニットの半フローティング構造もそうだが、ブリッジ本体がボディ面に水平な、完全にフローティング構造のブリッジだと、僅かに触れた状態でも音程が不安定になる。かつ、チョーキング時にテンションが引っ張られ、弦の張力がスポイルされる。これは特にユニゾンチョーキングなどで影響が大きい。
・・・・が、こう書いているとヘタクソの言い訳にしか聞こえず、自分で情けなくなってきた。
ストップテイルブリッジだと、完全に固定された状態なので、このような不安定要素は皆無だ。
私はストラトばかり使ってきたので、潔いストップテイルブリッジにちょっと畏敬の念がある。
ストップテイル・ブリッジのPRS う、美しい・・・
ただし。
いかに高額ギターのPRSといえど、ストップテイルブリッジの精度は若干の甘さがあるらしく、WEBの情報では固定が緩く前のめり状態になることと、1弦がビビる(シタールサウンドの状態)事が多くあるらしい。
ちょっと夢から覚めた気分になった。
トレモロブリッジの問題はホントに悩み抜いた点で、いるか、いらないか、ずっと気持ちが振れ続けたが、最終的には「自作曲で結構使ってるじゃん」という点を思い出し、おそらく自分には必要だろう、と結論付けた。
無いなら無いで、奏法上の問題なので、そのようなアレンジに変更してしまえばいいが、これまでの自分のキャリアで「アーミングの効果」も色々と使ってきたので、あと少し、豊かな表現手段として「あったほうがいいだろう」と気持ちの整理が付いてきている。
どうしても音程の不安定さが気になるのであれば「トレモロブリッジを一時的に固定してしまう方法」は色々とあるので、オプションパーツで対応することも考えられる。
2ハムバッカーは決まりだ。PRSはこれが定番でもあるので、自分の好みと合わせてあまり悩まずに済む。ずっと3シングルのストラトを使ってきて、あのはっきりしたピッキングの色っぽい音が好きなのだが、ゲイリー・ムーアの鳴きのギターを聞いてから2ハムバッカーに憧れてきた。自分のピッキングにはデカいハムバッカーは邪魔なのだが、YAMAHA SF-7000で四苦八苦しているうちにちょっと慣れた感じで、うん、弾けるかも、といい感触をつかめていた。
これがYAMAHA SF-7000だ!
ただし、コントロール系は「コイルタップは要か不要か」で悩まされた。
というのも、モデルによってコイルタップが付いていないものが存在し、自分がいいなと思うモデルがそれに当たっていた。
もちろん無いなら無いでボリュームを絞って出力する音の腺を細くしたりして工夫のしようはありそうなのだが、自作曲ではあのか細いシングルの繊細さが欲しい場面が多々ありそうだ。バンドでも同様に、音のバリエーションとしては思ったよりも出番が多そうだし。
PRSのコイルタップ配線
ピックアップ(PU)とサーキットの問題なので、気に入らなければ丸ごと交換してしまう手もある。そこまでしなくても、自分の欲しいモデルがコイルタップ無しならば、トーンポットをスイッチ付きに交換して自分でハンダで再配線してしまえばいい。ハムバッカーは、ABコイルが直列に繋がれていて、そのつなぎ目からリード線を出しアースに落とせばシングルコイルになる。簡単だ。PRSはリアとフロントでそれぞれアースに落とす直前に1.1kと2.2kの抵抗を入れ、ハムバッカー⇔シングル切り替え時の音量差を低減する工夫をしている。
配線いじるのは簡単
しかし、出来ればいじりたくは無いのが本音だ。PRSのようなハイブランドのギターは、配線などでも結構細かいこだわりがなされていたりするもので、自分で細かい改造を加えるとそれが品質劣化に繋がってしまう残念な結果になることも珍しくない。
なるべくいじりたくはない。
24フレットか、22フレットか。
これは好みは22Fだった。フロントPUの位置が違うので、22Fのほうが「らしい」音が出る。
奏法的には24Fのほうが有利なように思えるが、そんなハイフレットで気になるほどの違いが出るテクが自分にあるとは思えない。
それに、今のIbanezは24Fで21Fのストラトに慣れた自分だと目が泳ぐ。まあ慣れの問題だろうが、フロントとリアが離れている22Fがカッコ良く見える。
カッコいい
と、思わぬ情報が飛び込んできた。
Ibanezの安っいGRGは、12F近辺でサスティンが詰まり短くなるポイントが散見される。
実はこれ、PRSにもあるらしい。
なんと・・・・・・PRSのような高級ギターなのに?!
24Fモデルで3弦の14Fがコレに当たり、サスティンが詰まり短くなる個体が多いらしい。
22Fではある程度出難いらしいとの情報もあるが、またしても夢から覚めるポイントが出現したわけだ。
そして最後にやってきたのが、「PU切り替えスイッチはブレードかトグルか」という点。
まず、ここはトグルで行きたい、と強く思っていた。
左がブレードスイッチ、右がトグルスイッチ
自分がずっとストラトを使っていたので、新鮮味の無いブレードではなくトグルにしたかった。
問題点はふたつ。PRS SEの22Fにはトグルスイッチのモデルがある(2017年以前)が、24Fには無い。これは自分の希望が22Fなので問題は無し。困ったのは、22Fのトグルスイッチのモデルには、ハムバッカーのコイルタップが無い点だった。
※調べたらあるらしい(´・ω・`)
コイルタップ、いるか?いらないか?またしても悩む。
改造ははっきりいって簡単だが、上記の理由で出来ればいじりたくない。はっきりいって、ハンダ付けだけの問題なので、自作ギターを何本も作っていた自分には簡単な作業だ。それでも「出来ればいじりたくない」という気持ちがある。どうしても納得いかなければハンダごてを持つ。
もうひとつは、トグルスイッチが変な位置にあること。
なんでこんなところに付いてるんだよ (´・ω・`)
PRSギター全般に言えるが、コントロール系が変な位置にある。これは、プレイヤビリティに影響すること間違いない。
(※プレイ中に手に当たることを気にせずガンガン弾けるように、とのことです)
しかし、もうライブもそんなに出番はなさそうだし、そこに真剣に悩むほどの問題ではないだろう。であれば、新鮮なトグルスイッチが魅力的に思える。
・・・・しかしこれは、じつにチョロイ理由で「ブレードスイッチでもいいじゃん」と気持ちが変わった。ツマミを変更すればいいだけだ。
PRSの高っっいモデルのブレードスイッチは、ちょっと変わったツマミが付いている。
ちょっとツマミの形が違う
フェンダーの見飽きた三角錐でなく、マイラコンデンサみたいな形をしている。
ちょっと目先を変えてやるだけで、「お、これいいじゃん」と思えた。実に(オレが)チョロイやつだ。
まだちょっとトグルSWに未練はあるが・・・。
あとは色だけだ。「PRSは青だろう」という当初の印象は、あまりに多くのPRSギターを見慣れてくると、サンバーストなども良く見えてくる。
色々あるのよ
意外に見た目に囚われるなあとの印象だが、やはりこれが最後の一本ともなると自分に妥協出来るポイントも限られてくるものだと自分に思えた。
今はカネはあるがちょっとタイミング的に合わないでじっと待っている状態。
お目当ての一本はWEBで見つけたが、私を待っていてくれるか、それはその時の縁だろう。あえて予約や取り置きはしないでいる。
売れてしまったら、それはそれで仕方が無いのだ。そして、それはそれでいい。
自分のギターとの出会いは、いつも偶然が決めていて、最後の一本も決して例外ではない。
その時が来たら、改めて出会いを求めてみようと思う。
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